子供が二人、Z会小学生コース専科「公立中高一貫校作文」を受講したので、実際に取り組んだ感想をまとめました。
子供が受講したのは、小学6年生の4月号から12月号(12月号が最終月)までの9か月間です。
我が家の子供たちは、もともと作文が苦手でした。
学校の面談で先生に指摘されるほど出来ない状態からのスタートでしたが、二人とも公立中高一貫校に合格できました。
作文対策は塾には通わず、Z会と市販テキストのみで行いました。

一般的に、公立中高一貫校の受検では塾に通う方が多いです。ただ、塾に通っても合格できるのは1/5程度なんですよね…。(子供が受検したエリアの学校の場合です)
それだったら、Z会の教材は評判が良いし、塾に通わずに対策してみようと思ったわけです。
ただ、私も作文が苦手。子供の教材を使って一緒に勉強し、子供の答案を採点する日々を過ごしました。
Z会 公立中高一貫校対策講座 作文コースのレビュー
コース選びの注意点

Z会の小学生コースには、専科として「公立中高一貫校受検対策講座」があります。
公立中高一貫校対策講座は
- 公立中高一貫校適性検査
- 公立中高一貫校 作文
に分かれています。
我が家は上記のコースを2つとも受講しました。
公立中高一貫校作文コースの良い部分

我が家の受検対策は塾なしで進めたため、私が子供の教材を一緒に解いて丸付けをして…という家庭教師スタイルです。
「子供に教えている」というと、私は作文が得意だと思われるかもしれませんが作文は大の苦手。このブログのように自由に書くのは好きなんですが、作文という決まった形で書くのは苦手なんです。
私もZ会の教材を最初から全部解いて、子供と一緒に頑張りました。4月号から12月号まで、全部頑張りました…!
良かった点は
- 添削をしてもらえる(月に1回)
- 作文例(悪い例)の解説がある
こと。
順に詳しく解説します。
添削をしてもらえるので、採点者の視点を知れる
まず、1つ目の添削してもらえること。作文のプロの先生に添削してもらえます。
プロの目線で子供の書いた文章を丁寧に添削してもらえるのは、非常に参考になります。
子供たちは「添削問題を提出すると誰かが添削してくれて、たくさんアドバイスを書いた答案が戻ってくる」というのが嬉しかったみたい。ご褒美ポイントも貯まりますしね。
添削の期日があるので、毎月のペース作りにも役立ちました。ある程度は遅れて出しても大丈夫なのですが、受検までそんなに余裕があるわけでないので、毎月の期日に合わせて取り組むようにしました。
「悪い作文例」の解説が詳しいので「減点されないためのコツ」を学べる

2つ目は、作文例(悪い例)の解説があること。これが、すごく良かった!!
Z会の作文テキストの解説には、良い作文例だけではなく「悪い作文例」も載っています。
良い作文例は、読めば「あ、そうだよね。これ、良い作文だよね。」と作文が苦手な私でもすぐ理解できます。
でもね、作文が苦手な人には「悪い例」こそ知って欲しいのです。
「悪い例」に載っているような作文は、まさしく我が家の子供たちや私が書いてしまっているような作文なのです…。
子供の書いた作文を添削していると「まさしく、この悪い作文例と同じパターンだな…」いうことが幾度もありました。
ただ、私も作文が苦手なので、的確なアドバイスができなかったんです。

Z会の教材では
- 悪い例のどこが具体的に悪いのか
- どんな視点で論を展開していくと良いのか
などが、小学生の子供でもスムーズに理解できるよう、順を追って説明されています。
Z会の教材は「問題」は「回答」の2冊に分かれて届きます。
問題は作文を練習する上でステップを踏んで演習できるので、基礎的な作文の書き方を学べるようになっていて良い感じ。でも、私が特に良いと思ったのは回答「答えと考え方」の方です。

解説が懇切丁寧で分かりやすい言葉で説明してあるので、サクサク理解できるんです。
子供は問題を解いて、さらっと回答を読んで終わりにしちゃいがち。でも、私は回答冊子は宝の山だと感じたので、子供によく読むように何度も促しました。
実際には、子供はささっとしか読んでくれないので、私が読んで説明して…の繰り返しでした。
ちなみに、回答を読み込むと「採点者はどんな視点で採点しているのか?」が学べますよ。
Z会の講座を検討している方は「作文で良い点数を取りたい」と思っていることでしょう。
良い点数をとるためのテクニックには「減点されないためのテクニック」も含まれます。
良い作文例から学ぶことも多いですが、悪い作文例から学ぶことも多いんです。
すごく重要なことだと思うので、悪い作文例と解説をみっちり読み込んで欲しいです。
公立中高一貫校の受検は激戦なので、できるだけ点を取りこぼさないように注意しましょう。
Z会作文コースの残念だった部分

Z会作文コースの残念だった部分は、特にはありません。
ただ、口コミでは1か月分の学習量が少ないのがデメリットという感想をよく見かけました。
1か月分の教材には、作文課題が2回分あります。
1か月に2回しか演習できないので量が少ないという意見も多いのですが、それってどこまで取り組むかだと思うんです。
子供がささっと取り組んだだけなら、1回あたり1時間もかかりません。
ただ、合格できるレベルの作文に仕上げるためには、その後たくさんやるべきことがあるので、何時間もかかりました。
具体的には、
- 親が解説を読み込んだ上で添削をする
- 子供に説明してあげる
- 改善する部分のピックアップをする
- オリジナリティのある作文にするため、体験談の棚卸をする
- 誤字脱字の確認
- 小学生で習った漢字を使って書いているか確認
- また、書き直してみる→添削する…の繰り返し
ざっと、こんな感じです。
上の流れを小学生の子供が解説を読んで一人で取り組めればラクなんですが、小学生一人でこなすのは到底無理です!!
親が一緒でも大変な作業です。

親の私が過去を色々と振り返りながら「あの頃、こんな事あったよね。これ、苦手だったのに頑張って出来るようになったよね?これを体験談として書いてみたらどうだろう?」みたいなことを何度も繰り返して、体験談の棚卸をしました。
体験談を探して、それをもとに書き直して、修正して。
小学校で習った漢字を使わずに、ひらがなで書いてしまうと減点されるので、それもチェックして。
きちんと取り組むと1つの作文を仕上げるのに、何日もかかります。
よって、最初は課題が2回分だけだと少ない気もしましたが、実際に取り組んでみて感じたのは「2回分でも結構大変」ということ。
2回分、しっかり書き上げるのは(子供に書き上げさせるのは)かなり時間がかかりました。
【重要】親のフォローは必要

Z会の作文講座は作文が苦手な段階からスタートしても着実にレベルアップできるよう構成されているので、内容は良いと思います。
我が家の子供たちも、9カ月かけて合格レベルの作文を書きあげられるようになりました。
ただ、これには親のフォローが必須です!
作文が苦手な子供が一人で課題をきちんとこなして、合格レベルの力を付けるのはかなり難しいです。ある程度の作文が書けるお子さんだったら、出来るかもしれませんが…。
親がフォローする時間がほとんど取れず、子供一人で取り組ませようと考えているなら、頻回なフォローが見込める塾に通った方が良いかも。「とりあえず書いてみる」という感じで回数だけこなしても、あまり上達しないので。
ちなみに、Z会以外でも市販の作文ドリルを数冊買って取り組みましたが、私的にはZ会の教材が一番役立ちました。
ある程度、学習が進んだ段階で「良い作文例がたくさん載っているドリルがあったら欲しいな」と思い探したのですが、意外と無いんですよ…。
中高一貫校の受検は倍率が高くて人気ですし「小学生向けの受検作文例文集」みたいなのがあるはず…と期待したんですが、無いんです(汗)
結局、探した中で良さそうなトマツ式を購入しました。ただ、トマツ式はZ会に比べるとレベルが高く、子供も私もトマツ式の解説を読んでもスッと頭に入らなかったので、ほとんど取り組みませんでした。
Z会の教材は基本からステップアップできるようになっていて、解答も子供が理解しやすい平易な表現を用いているので、最初に選ぶ作文教材として丁度良かったです。
ある程度学んだ上で更なるレベルアップを目指すなら、トマツ式などを検討するのも良いと思います。
以上、Z会の公立中高一貫校対策講座「作文」を受講した感想でした。
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