子供が二人、公立中高一貫校に通っています。受検勉強は、塾には通わず家庭学習でしました。
具体的には、Z会の通信教育や市販テキスト、過去問で対策をして合格しました。
今回は過去問の取り組み方でやって良かったことや、失敗したことなど、まとめました。
受検勉強の進め方は人それぞれベストな方法は異なるでしょうが、一つの体験談として我が家の場合を紹介します。
過去問の取り組み方
過去問に取り組み始めた時期
我が家の場合、過去問に取り組み始めたのは秋になってから。
理由はネットや受験をテーマにしたマンガ本(二月の勝者)で秋以降にならないと、学力的に難しくて解けない…という情報を見ていたから。
※二月の勝者は私立受験をテーマとしたマンガ。公立中高一貫校の受検とは違いますが、参考にしていました。
▽すごく面白くて何度も読んでます。楽天ブックスで「立ち読み」できるので、ぜひ読んでみて欲しい…。
秋以降に始めて感じたこと。
それは、
もっと早く取り組めば良かった…!
もちろん、解けない問題はたくさんあります。
でも、問題によってはスムーズに解けちゃったものも意外とありました。早々に過去問を買ってパラパラと見てはいたのですが、親の私が「難しいに違いない」という先入観を持ってしまっていたのが失敗でした。
子供本人が「解けたよ!」と喜んでいる姿を見て「秋以降と勝手に思い込んでいたけど、もっと早く取り組めば良かったなぁ…」と反省。
過去問に取り組んだところ、子供の志望校への熱意がすごく高まったんです。すると、勉強へのモチベーションも上がりました。
適性検査問題は長文が多いです。それゆえ、一見とても難しく見えます。そして、実際に、とても難しいものもあります。でも全部がそういうわけではありません。
だから、実際に自分(親)が解いてみて「これ、比較的簡単じゃない!?」と感じる問題があったら、取り組んでみるのもいいんじゃないかと感じました。
過去問の問題集には5年~10年分くらいの問題が掲載されています。そこから、少しずつ取り組むことで
- 志望校の傾向がなんとなく分かる
- 子供が受検を自分事と意識する(モチベーションが上がる)
- 早い段階からコツコツ余裕をもって取り組める
というメリットがあります。
何より、早くモチベーションが上がると、その後の受検勉強が密度の濃いものになります。
「やらされている」状態から「自分で頑張る」状態になれる。
これって、すごく大切だと思いました。
面倒だけど、やるべし!回答用紙はコピーして使用
よく「過去問の問題や、回答用紙は同じサイズにコピーして使った方が良い」といいますよね。本番の雰囲気になれるためです。
正直、「面倒だな…」と思って、最初はコピーせずに取り組んでました。
でも、ふと思い立ってコピーして使ってみたら、やっぱり本番を意識できて良かったので、それ以降はコピーするようにしました。(原寸大ではなくて、問題集と同じサイズのままのコピーですが)
「本番を意識できる」他にも、以下のメリットがありました。
- 後から見直すときに、分かりやすい(何年度のどの問題を間違えているのか把握しやすい)
- 何マス以内で答える…という問題では、文字数をカウントしやすい
- たまるプリントを見て、達成感を感じられる
10年分を3回以上解いた
過去問10年分を、最低3回は解きました。
何回解くのがベストなのかは人それぞれだと思いますが、我が家の子供の場合は3回解くと、ほぼ正解できるようになりました。
最初から正答できる問題もあれば、2回目、3回目でも繰り返し間違ってしまう問題があります。
何度も間違えてしまう問題は「苦手分野」ということで、市販の問題集で同じような問題をピックアップして演習したり、Z会の通信教育を受講していたので、そこからも問題をピックアップ。
間違ってしまう問題は、子供本人に「なんで間違えたのか」を書いて説明してもらうことにしました。
この、子供本人に「間違えた理由を書かせる」ことで、ぐっと理解が深まりました。かなり、おすすめ!
「きちんと文章にする」ためには、自分がきちんと理解できていないと書けないんですよね。
子供は最初は面倒で嫌がっていましたが「書かせる」ことで頭がクリアになるのか、次第に嫌がらずに、このやり方で進められるようになりました。やみくもに数をこなすより、効果があると感じています。
ちなみに中学入学後の家庭学習でも、子供はこの勉強の仕方を続けています。(私が言わなくても、自ら続けています)
中学受検を通して「勉強の仕方」を身につけられたのは大きな収穫でした。もちろん、私はそんなに優秀というわけではないしベストな勉強法では無いですが、ベターにはなりました。
表を作って苦手を管理
最初は過去問の進捗状況をきちんと把握していませんでした。なんとな~くだけ、把握する感じ。
でも、年明けくらいから総仕上げのために表を作って進捗や苦手を詳しく管理することに。
これ、過去問に取り組み始めたときからやっておけば良かったです。だから、これを読んでくださっている方には、できるだけ早い段階で表を作ることを超絶おすすめします。
「見える化」すると把握しやすいし、変な焦りも感じずに済みます。
我が家の場合は、過去問10年分を繰り返し説いたので、縦軸に「年度」、横軸に「回数(1回目、2回目、3回目)の表を作りました。
表には
- 取り組んだ日付
- 間違えた問題
を記入しました。
これで、進捗とよく間違える問題が一目で把握できます。
まぁ、なんの特徴も無い普通の表です。でも、「間違えた問題」をメモできるようにしたのがポイント。
親があれこれ気をもんで「あと、何回くらい解かなくちゃならないから、今週はこれをやって…。そうだ、前に間違えたあの問題も、もう一度復習しなくちゃ」と頭の中でグルグル考えたりしませんか?私の場合は、そうでした。
でも、表にして「見える化」することで、子供本人が
- まだ、この年度は1回しか取り組めてないんだ
- この問題、また間違えちゃってる…
と理解してもらえるように。すると、子供とペースを共有しやすくなります。
そして日付を書くことで、2回目、3回目を解くタイミングも設定しやすくなります。
間違えた問題に再度取り組む日を判断をする場合にも然り。あんまり日を空けずに解いちゃうと答えを暗記していることも多いので(特に知識問題)注意が必要です。
我が家の表は一例にしか過ぎないので、実際に取り組む上で、ご家庭に合わせてアレンジしてみてください。
定番の「銀本」は、あえて取り組まなかった
定番の「銀本」にはあえて取り組みませんでした。全国の公立中高一貫校の問題がまとめられているので、色々な問題に触れる上では有名な問題集らしいです。
▽正式名は違いますが銀色の本なので、通称「銀本」と呼ばれています
でも、実際に本屋さんでパラパラとめくってみたとき「うちの場合は、これじゃ効率的に勉強できないわ…」と思いました。
理由は、回答はあっても解説が無いから。
公立中高一貫校の適性検査って難しいですよね。ただ用語を覚えて答えられるような問題ではなく、基礎を習得した上で自分の頭でしっかり考えて答えを導き出す問題です。
それなのに、銀本には解説が載っていないんです。
つまり、家庭学習で取り組む場合、親と子供が一緒になって答えを出さなければなりません…。大変すぎる(汗)
例えば、塾で先生が解説してくれるなら銀本での勉強も効果的なのかもしれませんが、塾なしで受検対策をしている我が家にとっては、使い勝手が悪い本だったので購入しませんでした。
このように、一般的には良本、定番本だと言われているテキストも、ご家庭によって必要でないかもしれません。たくさん問題集を揃えれば合格に近づく気がしてあれやこれやと欲しくなりますが、時間も限られてますし、お子さんの学習スタイルに合った問題集を選ぶのも大切です。
我が家の場合は、Z会の公立中高一貫校講座を受講しており、そちらを繰り返し解きました。Z会は考え方のプロセスが丁寧に解説されていて、ほんと分かりやすい。
銀本と比べると問題数は少ないものの、一つ一つ着実に問題を解く力が伸びている実感がありました。我が家の場合はZ会の教材を繰り返し解いたり、市販の問題集で苦手な部分を補完しました。
▽Z会は「作文」と「適性検査」で講座が分かれているので、両方受講しました
Z会では、毎月色々なパターンの問題を取り上げているので、たいていのパターンは網羅できるようになりました。
気になる方は、無料でお試し教材をもらえます。1講座1か月3000円くらいで対策できたので、個人的にはコスパ良かったと思っています。
市販の問題集で買って良かったのは、「ケイティ」シリーズ。
問題数はそんなに多くありませんが、つまづきやすいポイントなどがまとめられているし、図やイラストも多く勉強しやすい構成。
ちなみに問題のレベルとしては、Z会の通信教育の方が難しいです。ケイティは「はじめての~」とあるように、そんなに難しい問題ではありません。過去問の練習の手始めにちょうど良いかも。
算数、理科、社会の3教科が販売されているので、全部取り組みました。
▽家庭学習で使った問題集は別に詳しくまとめています。
こんな感じで、我が家の場合は過去問に取り組みました。
繰り返しになりますが、公立中高一貫校の適性検査は「自分の頭で考えて答えを出す」問題なので、ただやみくもに問題数をこなすのではなく、考えるプロセスを重視した勉強法・問題集で進めることが大事です。