子供が公立中高一貫校に通っています。受検時、私立は併願しませんでした。
ネットでの体験談や受検対策本などでは、私立を併願することがすすめられています。
理由は、
- 場慣れのため
- 公立中高一貫校は倍率が高く合格は難しいため、頑張った証として私立で合格を勝ち取っておくことが大切
というのが大半です。
我が家の場合は早い段階で単願に決めました。その理由について、ちょっと書いてみたいと思います。
【公立中高一貫校の受検体験記】私立を併願しなかった理由
私立を併願しなかった理由
我が家には子供が二人おり、二人とも公立中高一貫校に通っています。
私立を併願しなかった理由は3つあります。
- 志望校の校風や教育内容にとても魅力を感じていた
- 地元の中学校に行かせたくないわけでは無かった
- 金銭的な面から私立は考えられなかった
まず、1つ目の理由は志望校の教育内容や校風にとても魅力を感じていたからです。ぜひ、志望校で6年間を過ごしたい、という気持ちが強かったです。
そのため、志望校と特色の違う私立を併願する気持ちにはなれませんでした。もしかしたら、どこかに同じような教育内容の私立があったのかもしれませんが、後述している金銭的な面も絡んでくるので、併願はしなかった(できなかった)のが実情です。
2つめの理由は、地元の中学に対するネガティブな感情が無かったから。志望校に落ちてしまったら地元中学でも良いと思っていました。
小学校から一緒に上がる友達もたくさんいるし、ママ友間での情報交換でも問題なし。普通と言ったら普通の学校だし、進学実績が良いわけではないけど、普通に学校生活を送れそうです。ちなみに、私は地方出身で中学受検(受験)という存在すら知らなかったので、地元の中学へ通いました。子供の地元中学を見学して「まぁ、中学校ってこんな感じだよね」というイメージと同じだったので、落ちたら地元中で良いと思ってました。
公立中高一貫校に通うことになると電車で通学することになるため、移動時間がかかってしまうというデメリットがあります。でも、地元の中学なら徒歩10分程度なので、移動による負担がないのがメリット。
時間に余裕が持てるので、部活などに思いっきり打ち込めるのも、いいですよね。
▽小学6年生の秋頃は子供本人が地元中学に行きたがって、悩んだこともあります
3つ目の理由は、金銭的な面から。
やっぱり、私立は何かとお金がかかります。しかも、6年間通うわけですし。補助が出るとは言っても、公立と比べると圧倒的にかかります。(制服とか、すごく高い!)でも、その対価として素晴らしい学習環境で過ごせるのかもしれません。
ただ、我が家の場合は地元の中学に対してネガティブな感情はなかったので、高いお金を払ってまで私立に行かせたいとは思っていませんでした。私立を併願して受かったとしても、ほぼ100%の確率で通わないなら併願しても無駄かなぁ…という考えがありました。
それに、公立中高一貫校の勉強だけでも手一杯で、私立の勉強をする余力が無かったのも事実です。
私立を併願しなかったことによるメリット
私立を併願しなかったことによる一番のメリットは、公立中高一貫校の勉強に専念できたことです。
我が家の子供たちは、小学校のテストは点数が良かったので基礎は出来ていました。しかし、適性検査型の勉強は6年生になってからZ会を始めた状況でした。
小さいころからパズルやレゴ遊び、ナンプレなどが好きだったせいか、適性検査型の問題はわりと早い段階で解けるようになり手ごたえを感じていました。
▽論理的思考力を鍛えるドリルとかも趣味でやっていました
でも、作文はものすごーく苦手。平均以下のレベル。学校の先生からも面談で指摘されるほど、苦手でした。
原稿用紙を前に悩みすぎてしまって何も書けない状態からのスタートだったので、作文対策にはだいぶ苦労をしました。
私立を併願していたら、勉強できる時間も分散してしまいます。単願に決めたことで、子供の苦手分野にじっくりと時間をとれたのは、大きなアドバンテージになったと思います。
また、我が家の場合は塾に通わず、自宅学習で対策。具体的にはZ会の公立中高一貫校対策講座をベースに、市販のドリルを組み合わせるという方法でした。(Z会の講座は「適性検査」と「作文」の二つを受講しました)
【参考】Z会以外で取り組んだ市販ドリルの紹介
▽Z会を選んだ理由
実際には、私も一緒に勉強して(私も適性検査型の問題は解いたことがないので、教えたくても全然わからない状態からのスタート)、子供の丸付けをしたり、時には私の方が分からなくて子供から教えてもらったり。(子供にとっては私に説明することで、理解が深まったらしい…。)
そんな状態だったので、公立中高一貫校の対策のみで手いっぱい。
でも、毎日のように私もコツコツと勉強を続けるうちに、公立中高一貫校のテストがどんなものなのか、ある程度分かるようになってきました。それをもとに市販ドリルを買い足したり、スケジュールを修正したり。親も実際に解いてみるって大切ですね。
手探り状態で、試行錯誤する日々の連続でしたが、公立中高一貫校の対策に集中できたのは良かったです。
結局、併願をすべきかどうか?
我が家の場合は、上記の理由から単願にしました。でも、ご家庭の事情は様々でしょうし悩む場合も多いでしょう。
公立中高一貫校以外でも、行かせたい私立があるなら必然的に併願することになりますよね。また、地元中学に絶対に行かせたくないなどの理由がある場合も併願したほうが良いです。公立中高一貫校の受検倍率は高いので。
場慣れのために、私立の併願を考える方も多いと思います。私も、その点は悩みました…。
ただ、私立を受けるとなると、本番の直前の時期。感染症をもらってこないかが心配でした。
直前期は自分のペースで総復習をして気持ちを落ち着けた方が、我が家の子供たちの場合にはメリットが大きいんじゃないかと思ったので、場慣れとしての併願は必要ないという結論に至りました。
早い段階でそう決めたので、時々、塾主催の無料模試(日能研やena)を受けて「試験会場でテストを受ける」という経験を積ませました。
もちろん、模試なので本番のようなピリピリ感はないかもしれません。ただ、我が家の子供たちは模試だったとしても「会場でテストを受ける」ということに慣れておらず、最初はかなり緊張していました。場数を踏むうちに慣れたようなので、模試会場でのテストでも場慣れに効果がありました。
▽enaの適性検査模試は無料だし、志望校判定もでます
ちなみに、本番当日は長男は全く緊張しなかったそうです。次男はテストが始まる前は少し緊張したみたい。でも、テストが始まったら集中して取り組めたそうなので併願による場慣れはしなくても問題なかったです。(あくまでも、結果論ですが)
そして、考えたくないことですが、もし公立中高一貫校がダメだった場合に併願していないことで子供の心に多大なダメージを与えてしまうんじゃないかという悩みも大きいと思います。私立を併願して、一つでも合格が取れていることで心の慰めになるという部分もあるでしょう。実際に、その私立に通うかどうかは別としても。
これについての私の考えですが、(あくまでも私個人の考えとして捉えてくださいね)、私は小さいころから「身ぐるみはがされたとしても、自分が身に着けた知識はずっと残るんだから、頑張って学びなさい」と教えられて育ちました。
これは、ある事情により、借金を負ってしまった両親が実感したこと。母の話では 「一気に、いろいろなものが無くなってしまって。それで、何があっても残されるのは自分が身に着けたことだと思ったから、当時はあんなに熱心に習い事をさせたの」と私が大きくなってから教えてくれました。子供の頃、習い事が多い毎日に大変だなぁと感じたことはありましたが、そんな背景があったとは。生活が厳しい中、習い事代をやりくりしていたみたいです。
子供の頃は分からなかったけど、大人になった今、その言葉の重みをひしひしと感じています。私も、母の考えるとおりだなぁ…と思うので、自分の子供にも、同じように話しています。
だから、受検前に、子供が「もし、落ちちゃったらどうしよう」と不安そうに話してきたときには「もしダメだったとしても、受検勉強を通してたくさんの学びがあったんだし、貴重な経験ができたんだよ。合格できたら嬉しいけど、ダメだったとしても他の選択肢があるから大丈夫。」と話していました。
子供は大人よりずっと狭い世界で生きていて、選択肢を知らないです。だから、親より不安に感じている場合も多いと思います。
そういう中で、親も子も、併願せずに結果が思わしくなかった場合に「自分はどうしたら納得できるのか」をじっくり考えた上で、併願するかどうかを決めればいいんじゃないかと思います。
そうやって納得して出した答えなら、それがご家庭にとってベストな選択ではないかと、私は思います。
以上、公立中高一貫校の受検で私立を併願しなかった理由についてでした。
▽公立中高一貫校の受検勉強中に、何度も読み返した本。要点がまとまっていて分かりやすいです。
▽公立中高一貫校の受検対策で役立ったドリル