二人の子供が塾なしで対策を進め、公立中高一貫校に合格しました。
我が家の子供たちが本格的に受検対策を始めたのは、小学6年生になってから。
Z会の通信教育(公立中高一貫校対策講座)をベースに、足りない部分を市販ドリルで補うかたちで対策しました。(Z会は長男は5年生の3月から開始。次男は6年生の4月から開始。)
ただ、実際にやる気スイッチが入って本格的に勉強を始めたのは、なんと小学6年生の秋。(それまでは一日の勉強時間が30分くらい。秋からは2時間~と増えていきました。)
学校の授業はまじめに受けていてテストの点数は良かったので基礎学力は身についていました。ただ、公立中高一貫校の受検対策はそれほどできておらず…。
時間がないので、いかに効率的に無駄なく勉強できるかを意識して問題集を選びました。
もちろん、どんな教材が良いかはお子さんの基礎的な学力や得意・不得意によっても変わるもの。今回は「我が家の場合は、この教材に取り組んで良かったよ」という感じで紹介したいと思います。
まず、我が家の子供たちの学力について
もともとの学力でドリル選びも変わってくる
ネットにはたくさんの体験談が載っていて、おすすめ問題集なども紹介されていますよね。でも、それを見ていつも気になったのは「そのお子さんは、そもそも、どのくらいの学力だったのかな?」とうこと。
それによって、簡単、難しいも変わってくるし、必要な問題集は違うもの。
だから、この記事を見てくださっている方に分かりやすいように、まずは我が家の子供たちの学力について書いておきます。
【我が家の場合】小学校のテストは90~100点
我が家は双子なんですが、ほぼ二人の学力は同じ。厳密には、長男の方が若干良いのですが、レベルとしては同じレベルなので、この記事では「同じ」として紹介したいと思います。
小学校のテストは、どの教科も90~100点。9割くらいは100点です。
これは1年生の頃からなので、多少苦手分野はあるものの(概数が苦手でした)、基礎は習得しているという前提で問題集を選んでいます。
作文は苦手で平均以下から対策を始めた
学校のテストでは良い点をとってきますが、国語の作文は二人ともかなり苦手でした。
おそらく、作文のできは平均以下。作文については小学校の先生からも面談の際に「もっと作文の練習をした方がいいですよ」「まずは、なんでも良いので日記を書くところから始めましょう」とお話があるレベル。
何か書こうとしても、言葉に詰まってしまって書けないのです…。
▽作文の練習を始めた時の記録
公立中高一貫校の検査では、作文が出ます。しかも、作文の配点が高いので苦手だと致命的です。
我が家は塾なしで対策を進めましたが、公立中高一貫校対策の塾として有名な「ena 」の適正検査模試を時々受けて立ち位置を把握していました。(塾生でなくても、無料で受けられるのでおすすめ)
結果を返してもらう際に、enaの先生と面談がありアドバイスをもらえるのですが「本番では作文の配点が高いので、作文をしっかり対策しないとかなり厳しいです」というお話がありました…。
本番では作文の配点が60点分くらいだそうです。
▽詳細については別記事にまとめています
結果的に、作文対策はZ会の公立中高一貫校口座の「作文」を受講し、だいぶ書けるようになりました。
【詳細】Z会公立中高一貫校受検対策講座
ただ、Z会だけではなくて補完するために市販ドリルも使ったりして、私が添削をしました。ちなみに私は作文が得意ではないので、子供の教材を使って一緒に勉強を進めて、添削を頑張った感じです。
Z会は添削してもらえるのと、努力賞ポイントが貯まるのが子供の励みになり、「書けない~、難しい!」とうなりつつも、子供は毎月期日までにテストを提出していました。
まとめると、受検を本格的に意識し始めた6年4月の段階での学力・子供の様子は、
- 小学校の内容はほぼ習得できている(テストの点数は良い)
- 作文はすごく苦手(書くこと自体に躊躇して進まない)
- 4年生からたまに塾の外部生向けのテストを受けて受検を意識はしている
という感じです。
こんな状態で始めた受検対策。
効率的に勉強できて良かったドリルを、続いて紹介していきます。
【塾なし】公立中高一貫校の受検対策におすすめの問題集
塾なし家庭学習で取り組んで良かったドリルを紹介します。
公立中高一貫校の適正検査では、様々な情報が盛り込まれた長い文章を読んだ上で、問題を解いていきます。
我が家の場合は、子供たちの学力や苦手分野を踏まえた上で
- 基礎を確かなものにする
- 情報を正確に読み取って、論理的に考えられる力を伸ばす
- 作文については、基礎からじっくり取り組む
を指針として、問題集を選び、ステップアップしていきました。
5分で論理的思考力ドリル(ソニー・グローバルエデュケーション)
まず、「考える力」を伸ばす練習に良かったドリルの1つが、5分で論理的思考力ドリルです。
実はこの本は受検対策というよりはお楽しみとして取り組んでいました。子供たちは、この類の頭の体操になるようなドリルが大好き。(ナンプレとかも大好きです)
ある意味、趣味で始めたこのドリル。受検を終えて振り返ってみたとき、このドリルが公立中高一貫校の問題で問われるような、
- 情報を正しく読み取る
- 論理的に考えて答えを出す
という形式に慣れるためのステップとして役立っていたと気付きました。
「5分で論理的思考力ドリル」の対象年齢は10歳から、なんと120歳まで。子供から大人まで楽しめるドリルです。
レベルは3種類あります。
- ちょっとやさしめ
- 普通
- ちょっと難しめ
長男はナンプレ(数独)なども得意で、最初から「ちょっと難しめ」をチョイスしましたが、わりとサクサク解いていました。次男は、普通のレベルから順番に取り組みました。
このドリルでは思考回路を以下の5つに分けて、問題が設定されています。
- スキャン回路(→読み取る)
- クリエイト回路(→ひらめく)
- リバース回路(→逆算する)
- ノック回路(→洗い出す)
- ステップ回路(組み立てる)
簡単に言ってしまえば、このドリルを解くことで段階を踏まえて、論理的思考力が伸ばせる、というわけです。
著作権の関係でどんな問題があるのかの写真までは載せられないのですが、とにかく小学生の子供でも楽しく取り組めそうな問題がたくさん。
勉強とかそういうのを意識せずに、解きたくなっちゃう内容です。絵も多くてかわいらしいし、クイズみたいで楽しい!家族みんなで楽しみつつ解いてました。(実は私が一番できない…)
問題は5つの回路の力を伸ばすように分類されていますが、実際に出されている問題は様々なテイストなので解いていて飽きないのも良かったです。以前取り組んだ他のドリルでは2パターンの繰り返し…というものもあったので、こちらはバラエティ豊かで面白いな~と思いました。
他にもこういったドリルは色々と書店で見かけますし、過去に他のものも数冊取り組んだことがありますが、初めて買うなら5分で論理的思考力ドリルが面白いし、取り組みやすいと思います。
計算ドリル(学校の計算ドリルを繰り返した)
毎日コツコツ続けたい計算ドリルは、学校の宿題で使っているものを解き直しました。最初は、別なドリルを用意しようかな~とも思ったのですが、どれも似たり寄ったりで。
それだったら、学校で使っているドリルでいいんじゃない?と思い、学校のドリルを復習することに。(学校の宿題はノートに解いていたのでドリルには答えを書きこんでいませんでした。)
受検対策として取り組む際には、時間を計って取り組み、スピードアップを意識しました。
次男は特にケアレスミスが多かったのですが、毎日繰り返すことでスピードもアップしたし、ケアレスミスも減りました。
ケアレスミスを減らす上で、やって良かったことがあります。それはケアレスミスをしたときに、ノートに赤字で「ケアレスミス」と書かせるようにしたこと。
ケアレスミス以外の理由で間違ったときも、間違った理由を書かせました。
それまで何度伝えてもケアレスミスが直らなかったのですが、このやり方に変えてから劇的に改善しました。
あと、毎日ではありませんが、私も一緒にといてスピードアップに取り組みました。横に並んで、タイマーをセットして「よーい、ドン!」と声をかけて取り組むと、いつもより楽しく取り組めるようでした。
考える力ドリル(受験教育社)
「考える」をテーマにした算数(文章題)と国語(読解問題)、パズル的な問題が1冊にまとまったドリルです。
▽写真左のドリルです
このドリルの特長は、手軽にサクっと復習系の問題&考える系の問題に取り組めること。1枚ずつ切り離せるようになっています。
- 表面は文章題または読解問題
- 裏面はパズルやクロスワード
まずは、復習系のドリルとして表面に取り組み、頭の体操として裏面に取り組む感じ。
比較的簡単な問題が多いので、受検勉強を意識し始めたお子さんが取り組む場合に、取り組みやすい内容だと感じました。
我が家の場合、6年生からはZ会の通信教育も始めたのですが、考える力ドリルはZ会を始める前の5年生の段階で取り組んでいました。
Z会はけっこう難しいのですが、それに比べて、考える力ドリルは易しい内容。でも、それがZ会への橋渡しとして丁度良かったです。
思考力トレーニング(公文)
小学5年生の冬に取り組み始めたのが、思考力トレーニング(公文)です。
上記の、考える力ドリルの次に取り組みました。考える力ドリルとテイストは違いますが、「考える力」を伸ばすに焦点を当てた内容になっています。
▽写真(右)のドリルです
「思考力トレーニング」の方が、考える力ドリルよりも長めの文章問題が多く、少し難しめ。考える力ドリルのようなパズル的な問題はありません。
「思考力トレーニング」は少し難しいので、受検勉強を始めたばかりなら、まずは考える力ドリルに取り組んで、次のステップとして思考力トレーニングに取り組むとスムーズだと思います。
このドリルは
- 左から開くと算数
- 右から開くと国語
という構成になっています。1冊に国語と算数がまとめられています。
公文の問題集だけあって、基礎~応用力までを無理なく伸ばせると感じました。また解説がすごく丁寧なので、その点もポイント高いです。
難しいと感じる場合は、一つ前の学年から取り組むと良いです。
Z会グレードアップ問題集(市販のドリル)←1番おすすめ
Z会のグレードアップ問題集は、掛け値なしにおすすめの一冊。
Z会というと通信教育のイメージがありますが、実は市販のドリルも扱っていて1冊1,000円ほど。
手ごろな値段なのに問題の質が良く、解説も非常に充実していて分かりやすい!個人的には一番おすすめです。(中学生用が無いのが、ホント残念…)
ただ、レベル的には、先述の考える力ドリルや、思考力トレーニング(公文)よりだいぶ難しいです。
「基礎はしっかり身についているので、受検対策として少し難しい問題を解かせたい」という場合に、かなり使えるドリルです。
我が家の子供たちは、6年生からZ会の通信教育(公立中高一貫校対策講座)のお世話になりましたが、最初はこちらのグレードアップ問題集を使って勉強を進めていました。
ちなみにグレードアップ問題集は、まだ受検を意識していなかった小学2年生から使っていました。主に算数や国語のドリルをリピートしていたのですが、受検を意識するようになってからは理科や社会などもあらかた揃えて取り組みました。
▽小学2年生の当時の記録(当時は総復習に使っていました)
ただ、我が家の子供たちは国語の読解が苦手で(学校のテストなら解けるけど、それ以上は厳しい感じ)、グレードアップ問題集の国語の問題文を見た時には「なにこの文章問題!?本当に小学生向けなの?」と思うほど難しく感じました。最初は間違いだらけ。
でも、今感じるのは、公立中高一貫校の読解問題は長文で難しいので、この問題集を粘り強く続けたのが力になったということ。
なにより解説が充実していて、文章を紐解く上での考え方が丁寧に説明されているんですよ。そうじゃなかったら、こんなに読解力は伸びなかったでしょう。(親が教える上でも、解説が丁寧ので助かりました)
グレードアップ問題集は、私立を目指すお子さんには簡単すぎると言われていますが、公立中高一貫校を目指すお子さんにはちょうど良いレベルとの口コミも多いドリルです。
我が家の場合も、まさしくそうで、こちらのドリルで解いたのと同じような問題が、過去問や、本番の適性検査にも出て驚きました。
きっと、受検に出やすいポイントをきちんと把握して作成された問題集なんだと思います。
きっと他にも良いドリルはたくさんあるでしょう。ただ、実際に何冊も書店で比較してみて、1000円で買えるのにこんなに良問ぞろいの問題集は見つからなかったので、個人的には一押しです。
最終的には、4年生以降のグレードアップ問題集はあらかた取り組みました。少し難しいので、お子さんが苦労しているようであれば、1つ前の学年に戻って取り組むのがおすすめです。算数は「計算・図形」と「文章題」の2種類がありますが「計算・図形」の方が簡単です。
▽グレードアップ問題集も学年別に揃えると、かなりの冊数になります。まとめてAmazonのリンクを張っておきます。(各教科ごとの一覧ページです)
- 【Amazon】グレードアップ問題集(算数)
- 【Amazon】グレードアップ問題集(国語)
- 【Amazon】グレードアップ問題集(理科)
- 【Amazon】グレードアップ問題集(社会)
10分作文発展プリント(小学館)
作文がものすごく苦手で、何を書けばよいのか途方に暮れてしまう子供に選んだのが、10分作文発展プリント。
公立中高一貫校の作文では、文章を読み、それについて自分の経験を挙げた上で考えをまとめるという問題が出ます。
そのような問題に取り組む前の準備として、自分の「体験(経験)出し」をする上で役立ちました。
ただ、公立中高一貫校向けの作文の型に慣れるという意味では、このドリルは役立ちません。あくまでも、経験の洗い出しをする上の一助になる感じです。
よって、ある程度作文が書けるお子さんは他の問題集に取り組んだ方が良いと思います。
我が家の子供のように、「何から書いたらよいのか全く思いつかない。とにかく作文が苦手だ。」と思っているお子さんが、テーマに沿って、自分の経験を思い出して書き出すのには向いています。
残念なのは、このドリルには答えがついていないこと。
テーマに沿って書く上でのヒントは載っていますが、回答例は無いです。そのため「他の人がどんな作文を書いているのか知りたい」という例を求めている場合には、他の教材を利用する必要があります。
ちなみに、たくさんの作文の事例が載っている問題集があったらいいのにな…と思い、かなり探しましたが、ほとんど無いんですよ(汗)
よって、我が家の場合は、Z会の通信教育の公立中高一貫校講座の作文を受講しました。
Z会の教材には、たくさんの回答例が掲載されているわけではありませんが、良い例と悪い例や解説が詳しくのっています。特に、採点する上でのポイントを詳しく読み込むことで、採点者の視点が分かり、作文を書くコツが習得できました。
そして毎月、受講し続けることで作文の回答例のストックが増えていきます。
市販のドリルに比べると高くつきましたが、1か月3000円程度なので受講して良かったです。公立中高一貫校の作文の型を学べるので、着実に力を伸ばせました。
【詳細】Z会公立中高一貫校受検対策講座
▽Z会を始めた時の記事
さいごに
ドリル探しについては、本当に苦労しました。時間があるなら色々取り組ませたいけど、なんせ時間が無かったので、どうしたら効率的に学力を伸ばせるかを常に考えていました。
塾なし家庭学習で進めていたので、私も子供と一緒に勉強して、子供の苦手な部分や、もっと伸ばしていく必要がある部分の把握に日々努めました。
そうやって頑張ってドリルを選んで計画を立てても、子供のやる気をうまく引き出せず、停滞していたことも。9月のenaの適正検査模試では、次男は最悪の結果を出してしまい、途方に暮れました…。
でも、それがきっかけで親も子供も危機感をもって受検勉強を仕切り直せたと思っています。
▽9月に受けた模試の結果
ほんと、受検はいろいろありますね。少しずつですが、当時のことを振り返って受検の記録をまとめていますので、読んでいただけると嬉しいです。
あと、公立中高一貫校の受検において、とても参考になった本があるので紹介します。
ネットにもたくさんの情報がありますが、時期ごとに「やるべきことリスト」がまとまっているので、これ一冊読めば公立中高一貫校の受検について全体像を把握できます。
【おすすめの対策本】公立中高一貫校合格バイブル (受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか)
ちなみに、公立中高一貫校の受検では報告書(小学校の先生に作成してもらう書類)があります。報告書の依頼の仕方や依頼文書の書き方については、だいぶ苦労して調べたので別記事にてまとめました。
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